
建物と換気について
日々の大半を過ごす建物の空気環境は、私たちの健康や快適な暮らしに深く関わっています。
換気が不十分だと、二酸化炭素や湿気、ホコリ、ウイルス、アレルギー物質がたまり、頭痛や眠気、呼吸器の不調などの原因になることがあります。
建築基準法でも、こうした室内環境の悪化を防ぐため、居室の換気に関する規定が設けられています。
本記事では、換気の重要性や健康への影響、居室の換気の規定、そして日常で実践できる換気の方法をご紹介します。
【目次】
1.換気不足が引き起こす健康リスク
2.法律で定められた換気のルール
3.換気による健康促進効果
4.健康を守るための換気の実践方法
5.まとめ
1.換気不足が引き起こす健康リスク
室内の空気は、人の呼吸や生活活動、調理や暖房などによって日々汚れます。
換気が不足すると、二酸化炭素やホコリ、湿気、ウイルス、アレルギー物質などが室内に溜まり、健康に影響を与える可能性があります。
具体的なリスクは以下のようなものがあります。
二酸化炭素(CO₂)濃度の上昇:
室内で人が呼吸することで二酸化炭素が発生し、換気が不十分だとその濃度が上昇します。CO₂濃度が高くなると、集中力の低下や眠気、頭痛などの症状が現れることがあります。
湿度の偏り:
湿度が高すぎるとカビやダニが繁殖し、アレルギーや喘息などの呼吸器系の疾患を引き起こす可能性があります。逆に湿度が低すぎると、喉や肌の乾燥を招き、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなることがあります。
有害物質の蓄積:
換気が不十分だと、室内で発生するホルムアルデヒドやトルエンなどの揮発性有機化合物(VOC)が蓄積し、長期間の曝露により健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
2.法律で定められた換気のルール
空気環境が悪化すると人の健康に悪影響を与えうることから、汚れた空気を建築物の外部に排出し、新鮮な外気を導入する「換気」をうまく取り入れることは、建築物を設計・計画する上で、又は施設を維持管理する上で、配慮すべきポイントの一つです。
建築基準法は、国民の生命、健康及び財産の保護を図るため、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低限の技術的基準を定めており、換気に関しては、以下のような規定があります。
居室の換気:
居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積が居室の床面積に対して20分の1以上としなければならないと規定されています。
換気設備の設置:
換気に有効な部分の面積が20分の1未満の場合には、建築基準法施行令第20条の2の規定に適合する換気設備を設けなければならないとされています。
この場合の換気設備としては、自然換気設備、機械換気設備、中央管理方式の空気調和設備、国土交通大臣の認定を受けた設備の4種類を規定しています(図-1)。
特殊建築物の換気:
集会場等の特殊建築物の居室や火気使用室に設置する換気設備についても規定されています
図-1 建築基準法における「換気」に関する規定(法第28条)
3.換気による健康促進効果
適切な換気は、以下のような健康維持に役立ちます。
二酸化炭素濃度の低減:
新鮮な外気を取り入れることで、室内のCO₂濃度を低く保ち、集中力や作業効率を維持できます。
湿度の調整:
湿度を適切に保つことで、カビやダニの発生を抑え、アレルギーや喘息などのリスクを低減できます。
有害物質の排出:
換気により室内の有害物質を外に排出し、健康被害を防ぐことができます。
4.健康を守るための換気の実践方法
健康を守るために、以下の換気方法や日常管理が有効です。
24時間換気の活用:
集合住宅やオフィスビルでは、常時換気が可能な設備を活用することで、室内の空気環境を安定的に保つことができます。
窓の開放:
天気の良い日や換気が必要な時には、窓を開けて自然換気を行うことが効果的です。
換気設備の点検・清掃:
換気扇や換気口のフィルターを定期的に清掃し、正常に機能しているか確認することが重要です。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
建物には、居室の空気環境を守るために換気に関する規定が設けられており、健康で快適に過ごすための大切な仕組みとなっています。
とはいえ、日常生活の中で私たちができる工夫も欠かせません。
窓を開けて空気を入れ替える、空気の流れを意識するなど、ちょっとした行動で室内環境は大きく改善できます。
建物の仕組みと日々の心がけをあわせて、みんなで換気を意識し、健康で安心できる暮らしを続けていきましょう。
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出典:
国土交通省(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_fr_000108.html?utm_source=chatgpt.com)
厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/001020788.pdf?utm_source=chatgpt.com)
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