2023/11/10_法定後見制度について

法定後見制度について

 

皆様は、認知症などで意思判断能力が低下してしまった場合、
『自分自身の大切な権利や財産をどのように守っていこう…』とご自身の将来について不安になったことはございますか?
自分一人ではよくわからなくなってしまった時にでも、
安心して暮らすために、色々な契約や手続きをするためのお手伝い制度があります。
お手伝い制度には、法定後見制度や任意後見制度、家族信託などがありますが、
今回は代表例として、法定後見制度についてご紹介いたします。


【目次】

1.法定後見制度とは
2.法定後見制度の種類
3.法定後見制度を使うには
4.まとめ


 

1.法定後見制度とは

法定後見制度とは、認知症や知的障害、精神障害などの理由で、ひとりで決めることに不安や心配になったとき、
その人らしい生き方と安心を保護・支えるために、ご本人の権利を守る援助者を選ぶことで、ご本人を法律的に支援する制度です。
そして、ご本人の不安に応じて「後見」「保佐」「補助」の3つの種類が用意されていて、家庭裁判所によって、成年後見人などが選ばれます。

 

 

2.法定後見制度の種類

家庭裁判所では、後見等の開始の審判をすると、ご本人にとって最も適任だと思われる方を成年後見人など(「後見」「保佐」「補助」)に選任します。
成年後見人などになれるのは、皆様の家族や親戚の他、福祉や法律の専門家、専門的な研修を受けた地域の方、福祉関係の法人になります。
なお、誰を成年後見人などに選任するかという家庭裁判所の判断については、不服申し立てをすることができません。
 

後見
後見人が選ばれる対象となるのは、多くの手続き・契約などを、一人で決めることが難しい方になります。
受けられるお手伝いの範囲は、全ての契約などを【代わってしてもらう、取り消してもらう】ことができます。

 
保佐
保佐人が選ばれる対象となるのは、重要な手続き・契約などを、一人で決めることが心配な方になります。
受けられるお手伝いの範囲は、財産にかかわる重要な手続き・契約などを【一緒に決めてもらう、取り消してもらう、代わってしてもらう】ことができます。

 
補助
補助人が選ばれる対象となるのは、重要な手続き・契約の中で、一人で決めることに心配がある方になります。
受けられるお手伝いの範囲は、一部の限られた手続き・契約などを【一緒に決めてもらう、取り消してもらう、代わってしてもらう】ことができます。

 
3つの種類に共通していることは、日用品(食料品や衣料品等)の購入など、「日常生活に関する行為」については、取り消しの対象になりません。
※難しい手続きや契約などをしてもらう際は、代理権や一緒に決めてもらう同意権を付け加えるときに別途の費用がかかります。
※ご本人の居住の用に供する建物又は敷地を売却するには、家庭裁判所の許可を得なければなりません。
 

3.法定後見制度を使うには

法定後見制度を使うための相談~決定までの簡単な流れを説明します。
※申立てから利用開始までの期間は、多くの場合、早ければ1~2か月、長くても4か月以内くらいです。
 

 

  相談  

地域の相談窓口へ

相談支援専門員、地域包括支援センター、権利擁護センター、社会福祉協議会、成年後見センター、市区町村の相談窓口、
成年後見制度に関わっている社会福祉士、司法書士、弁護士の団体など
 

  申立て  

家庭裁判所へ

診断書と必要な書類、手数料などをご用意ください。
ご本人の状況や状態などをお聞きすることがあります。
 

  成年後見制度の開始  

成年後見人などの決定

成年後見人などは家庭裁判所が選びます。
ご本人が希望する人が成年後見人などに選ばれる場合や、専門家などから選ばれる場合があります。
 
 
また、法定後見開始の審判の申立てに必要な費用はこちらです。

 
 
 
 
※補助開始の審判をするための補助人に同意権または代理権を付与する審判の場合や、
 保佐人に代理権を付与する審判又は保佐人の同意を得ることを要する行為を追加する審判の場合は、申立てごとに別途、収入印紙800円が必要になります。
※後見と保佐では、必要なときには、ご本人の不安の程度を医学的に十分確認するために、医師による鑑定を行いますので、鑑定料が必要になります。
 鑑定料は個別の事案によって異なりますが、ほとんどの場合は10万円以下となっております。

4.まとめ

今回の記事はいかがでしたでしょうか?
皆様が抱えている、認知症などで意思判断能力が低下してしまった時の自分自身の権利や財産についての不安が少しでも解消できましたら幸いです。
法定後見制度は 「途中でやめられない」 ということが特徴の制度になりますので、注意していただければと思います。
※医師が書いた診断書で障害や症状の回復が認められ、家庭裁判所で取り消しが認められるとやめられます。

この他にも、ご本人が契約の締結に必要な判断能力を有している間に、
将来、判断能力が不十分となった場合に備え、「誰に」「どのように支援してもらうか」をあらかじめ契約により決めておく任意後見制度もあります。

また、皆様が安心して暮らすための方法として、「家族信託」という制度もございます。
オーナー様専用サイトでは、「家族信託」について紹介しているページがございますので、
ぜひ今回の記事と合わせて読んでいただき、ご自身やご家族にとって適切な選択をしていただければと思います。

家族信託
https://skyc-socsp.jp/as06

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参考文献
厚生労働省

https://guardianship.mhlw.go.jp/personal/type/legal_guardianship/#c04


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