2020/10/30_エンディングノート

エンディングノート


 

今回のテーマは『終活』です。

『終活』とは『人生のわりのための動』の略語であるのは皆様、よくご存じかと思います。
終活って言葉は理解しているけど「まだ考える時期じゃない」「終わらせるってなんかマイナスなイメージで抵抗を感じる」「死んだときのことを話題にするなんて縁起が良くない」と思う方も多いのではないでしょうか。
年々平均寿命が延びている日本国では、核家族化・単身者世帯の増加により「お墓にはいっても誰もきてくれないのではないか」「残り限られた時間を過ごすのは自分一人」といったように老後や死はどんどん個人化しており、不安が募る声があるのも事実です。
実際に『終活産業』と呼ばれ『終活』のサポートを事業とする企業ができるほどです。

しかしなにも『老後の不安』『死と向き合う』ことだけが終活ではありません。
本来の『終活』は『自分らしい人生で終わらせる活動』です。つまり『生きることをポジティブに考える』が第一ということです。
今回は「ポジティブに考える」ための1つの方法をご紹介いたします。

それはエンディングノートです!

エンディングノートとは、いわば自分史です。終わりを迎える前に自分の人生の振り返りや自分の意思、希望、感情を記録するものです。
「自分の死後、または死の前に、家族に自分の想いを伝える」ためのノートです。
エンディングノートの書き方にルールや条件はなく、正解はありません。
日記のように今までのこと、これからのことを書くも良し、写真をつけてアルバムのように書くも良しです!

「自分の意思を残すって遺言書ってこと?」と思われた方もいるかと思いますが遺言書とエンディングノートは全くの別物です。
エンディングノートは遺言書と違い、法的効力はありません!!

遺言書は法的効力があり、自分の死後はじめて効力を発揮し遺産相続ができます。自筆遺言の場合、たとえ夫婦であっても自由に開封することはできず、また介護や医療など生前の希望を残すことはできません。
反対にエンディングノートは遺産相続の効力はありません。自分の死後、家族が自由に開封することができ、生前の意思や希望を残せます。

遺言書は法的効力があるため、作成方法や内容に条件やルールがあり、それらの条件を満たしていない遺言書は無効となります。
その点、エンディングノートは条件もルールもなく、自由に書くことができるのもメリットです。

では、ここからは具体的にどんなことを書き残していけばいいのか。

あまりかしこまらず、残された家族が読みやすいように、自分らしく普段の愛称や言葉遣いのまま書くと良いと思います。
内容はあくまで例示であり、一般的に書いた方が良いとされていることをピックアップしております。
エンディングノートを作る人のキッカケや参考として、ご覧ください。

1、自分自身について
名前、生年月日、性別、住所、本籍、血液型、趣味・特技、好きな食べ物などを書きましょう!
まず、これらの基本情報を書いておけば、誰が書いたものなのか、すぐわかります!

2、個人情報について

銀行口座の暗証番号、公共料金の支払先、携帯電話・パソコンの契約内容、加入している保険の契約内容などを書きましょう!
自分の死後、遺族が暗証番号を知らないというのはよくあるトラブルのひとつです。

3、医療・介護・葬儀について
持病、アレルギー、常備薬、臓器提供、延命治療、葬儀の規模や遺影の有無、納骨の希望先などを書きましょう!
認知症などで判断力が低下してからでは、参列してほしい人や使ってほしい写真を伝えることはできません!
参列して頂いた方へのメッセージを残すのも良いと思います!

4、ペットについて
どんなものを食べているか、かかりつけの病院、性格、自分がいなくなったあとの行き先の希望などを書きましょう!
近年では飼い主が亡くなり行き場を失うペットが増加し、社会問題になっています。大切な家族を一緒に守りましょう!

5、相続について
資産一覧や貴重品の保管場所、相続の振り分け、相続人へ伝えたいことなどを書きましょう!
『“争“続』という造語が生まれるほどトラブルが多いです。関係性や性格を考慮し事前に対策しましょう!

6、親族や親しい友人について
親族の連絡先やメッセージ、親しい友人の連絡先やメッセージ、役所や弁護士の連絡先などを書きましょう!
一緒に住んでいるけど照れくさくて言えないことや遠くに離れている人に気持ちを伝えましょう!

ここまでエンディングノートについて、説明してきましたが、あくまで「自分を振り返り整理し残りの人生の在り方をポジティブに考え、自分の意志を書き残す」ものです。
エンディングノートを書き始めるのに年齢や性別は関係ありません。万が一の状況は誰しもが起こりえることです。
『早い』『遅い』だなんてことはありません。
意識や判断能力があり、興味があり、書いてみようかなと少しでも感じたらなら思い立ったが吉日です!書きましょう!

パソコンやスマートフォンでエンディングノートを作成するのも良いですが、データは消えてしまう可能性がある為、紙で残して保管する方が良いとされております。
各出版社や専門家の方が本やアプリでエンディングノートを発売しており、医療関係の項目が多いもの、終活に関して参考資料がついているもの、カレンダー別で書く項目が分かれているものもあります。
また、最近では市町村によって独自で作成したエンディングノートの配布やエンディングノートに関するセミナーも行っております。
紙とデータでそれぞれの分野に特化したエンディングノートを自分で組み合わせて保管するのも良いかもしれませんね!


作成者:濱出

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