東京都の不動産売買市況はどうなる?今後の動向を解説!
今後の不動産市況は、日銀が2024年3月にマイナス金利政策解除の方針を決定したことで、若干、不透明感が出始めています。2024年8月にはブラックマンデーを超える株価の暴落も発生し、株式市場にも緊張感が走りました。
近年続いてきた不動産価格の上昇トレンドも転換期に入る可能性もあり、予断を許さない状況です。今後、東京都の不動産市況は、どのように変化するのでしょうか。この記事では、「東京都の不動産売買市況と今後の動向」について解説します。
【目次】
1.先行指標となる株価の動向
2.遅行指標となる賃料の動向
3.東京都の不動産価格の動き方の特徴
4.今後の東京都の不動産価格に影響を与える要因
4-1.金利
4-2.為替市場
4-3.国際情勢
5.まとめ
1.先行指標となる株価の動向
不動産の価格は、株価からある程度予測することができます。理由としては、株価は不動産価格の先行指標となるからです。
以下に、株価と土地価格の長期推移を示します。
〈出典〉
国土交通省「地価・不動産鑑定 地価公示」(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000043.html)
日本経済新聞社「日経平均プロフィルヒストリカルデータ」(https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/archives/data)
土地価格は、概ね株価に1年程度遅れて動くことがわかります。2024年8月時点では、ブラックマンデーを超える株価の暴落があったものの、すぐに持ち直し、株価は今のところ高止まりが続いている状況です。そのため、不動産価格はすぐには下がらないと予想され、少なくとも来年も上昇が続くものと見込まれます。
2.遅行指標となる賃料の動向
賃料は、不動産価格からある程度予測することができます。理由としては、賃料は不動産価格の遅行指標となるからです。
以下に、土地価格と家賃指数の長期推移を示します(グラフ1)。
〈出典〉
国土交通省「地価・不動産鑑定 地価公示」(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000043.html)
総務省統計局「消費者物価指数 家賃指数」(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00200573&tstat=000001150147)
過去ピークを見ると、地価公示は1991年であるのに対し、家賃指数は2003年となっています。賃料は価格に遅れて動く性質があり、仮に価格が下がったとしても賃料はしばらく上がり続けることが特徴です。
ここで、過去15年間における東京都の地価公示と家賃指数の動き方を見てみます(グラフ2)。
〈出典〉
国土交通省「地価・不動産鑑定 地価公示」(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000043.html)
総務省統計局「消費者物価指数 家賃指数」(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00200573&tstat=000001150147)
東京都の地価は総じて上昇傾向が続いています。家賃指数は2020年から上がり始めており、仮に東京都の土地価格が下がったとしても、賃料はしばらく上昇が続く見込みです。
3.東京都の不動産価格の動き方の特徴
東京都は国内で最も不動産需要の強い都道府県であることから、日本の中で上昇時は最初に上がり始め、下落時は最後に下落し始める傾向があります。
首都圏でいうと、価格はひらがなの「の」の字を描くように変化していくことが特徴です。上昇時は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県のように「の」の字を描く順番で上がっていき、下落時は千葉県、埼玉県、神奈川県、東京都のように「逆の」の字を描くように下がっていくイメージになります。
今のところ、千葉県の土地価格は上昇トレンド中です。今後は、千葉県の地価動向に注目し、もし千葉県の地価が下落し始めたら「逆の」の字を描いて東京都にも下落局面が到達する可能性があります。
4.今後の東京都の不動産価格に影響を与える要因
今後の東京都の不動産価格に影響を与える要因について解説します。
4-1.金利
金利は、不動産需要に強く影響する要因です。金利が上がれば住宅ローンの金利も上がり、不動産需要が減退することで、価格に影響を与える可能性があります。
日銀は2024年3月に、マイナス金利政策解除の方向性を示した以降、金利を上げる可能性を繰り返し示しています。恐らく市場に与える影響を考慮し、金利は少しずつ上昇させていく可能性が強いです。
金利が上がることでまずは企業の業績が悪化し、株価が大きく下がった場合に不動産価格にも作用することがあると予想されます。
4-2.為替市場
金利が上がることで諸外国との金利差がなくなり、為替市場が円高方向に動く可能性があります。
円高方向に動くと、海外の投資家の需要が弱まる可能性があります。円高によって日本の不動産に割安感がなくなれば、海外投資家の需要は減り、不動産価格に影響を与える可能性もあります。
4-3.国際情勢
国際情勢で注目したい点は、アメリカ大統領選です。有力候補者であるトランプ氏が大統領になれば、国内産業の保護の観点からアメリカの金利を引き下げる政策を行うのではないかと予想されています。
アメリカの金利が下がれば日本との金利差がますます解消され、円高方向に向かう可能性があります。円高が進めば、海外投資家が日本市場から撤退し、不動産価格に作用することがあると予想されます。
5.まとめ
以上、東京都の不動産売買市況と今後の動向について解説してきました。
今後の予想としては、特に金利の動きが重要であり、金利が上がれば価格に影響を与える可能性があります。東京都は国内で最も不動産需要が強いため、価格に変調が生まれるとしたら国内で最後に現れます。2024年8月時点では、株価に関してはまだ高止まりしていますので、今のところ土地価格は上昇が続くものと予想されます。賃料も土地価格に遅れて上昇し始めており、今後も上昇する見込みが高いです。
東京都の不動産価格は株価や周辺地域に遅れて動きますので、先行となる指標の動きを注視しておくことが望ましいです。
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