2026/09/18_不動産IDについて

不動産IDについて

 

不動産には「住所」「地番」「家屋番号」など、さまざまな情報があります。

普段の生活では、それらを使って不動産を特定することができます。しかし、不動産に関する情報をコンピューター上で管理したり、複数のサービスや行政機関などで情報を連携したりする場合には、

「この情報は同じ不動産のことなのか?」を判断することが難しいケースがあります。

そこで、国土交通省が整備を進めているのが「不動産ID」です。

今回は、不動産IDとはなにか、なぜ必要になったのか、そして今後どのような取り組みが進められているのか、わかりやすく解説します。


【目次】

  1. 「不動産ID」とは?
  2. なぜ不動産IDが必要なのか?その背景と目的
  3. 不動産IDでオーナー様の不動産情報はどう変わる?
  4. 不動産IDの今後の取り組み
  5. まとめ

1.「不動産ID」とは?

 

不動産IDとは「不動産ひとつひとつを識別するための共通の番号」です。

国土交通省では、「不動産を一意に特定する、各不動産の共通コード」としています。

不動産IDを情報連携の「鍵」として利用することで、さまざまな不動産関連情報を結び付けやすくすることが期待されています。

例えば、同じ不動産についても、登記情報や都市計画情報、防災情報などがそれぞれ別に管理されている場合があります。

不動産IDを共通の「鍵」として使うことで、「この情報は、この不動産についてのもの」と結び付けやすくすることが、不動産IDの大きな役割です。

2.なぜ不動産IDが必要なのか?その背景と目的

 

では、なぜ新たに不動産IDが必要なのでしょうか。

その背景には、不動産に関する情報をデジタル上で扱う際の「照合の難しさ」があります。

 

住所の表記が異なる

例えば、同じ場所を指していても、住所の表記方法が異なる場合があります。

人が見れば「同じ場所だ」と判断できますが、コンピューターで大量のデータを照合すると、表記の違いによって同一の不動産だと判断しにくくなることがあります。

国土交通省も、こうした住所の「表記ゆれ」を課題の一つとして挙げています。

住所や地番については、以前の記事「住所と地番の違い」でも詳しくご紹介しています。普段使っている「住所」と、登記などで使われる「地番」は、それぞれ役割が異なります。

こうした住所と地番の違いも、不動産情報をデジタル上で扱う際に関係してきます。

 

1つの住所に複数の建物がある

さらに、地域によっては一つの住所に複数の建物が存在する場合があります。

国土交通省の資料では、「1住所複数建物」の地域は、2023年度の推計で全国の約20%、東京都では約40%とされています。

例えば、マンションを思い浮かべていただくと分かりやすいかもしれません。

一つのマンションには、同じ住所の中に複数の住戸があります。

住所だけを見た場合、「この情報はマンションのどの住戸についてのものなのか?」を正確に判断することが難しい場合があります。

このように、住所だけでは不動産を一つひとつ正確に特定することが難しいケースがあります。

こうした課題を解決し、不動産に関する情報を正確につなげやすくすることが、不動産IDの目的の一つです。

 

3.不動産IDでオーナー様の不動産情報はどう変わる?

 

では、区分所有者であるオーナー様には、どのような関係があるのでしょうか。

まず、現在オーナー様が不動産IDを使って何か手続きをする必要があるわけではありません。不動産IDは、今後、不動産に関するさまざまな情報を連携するための仕組みとして整備が進められています。

例えば、将来的には次のような活用が考えられます。

 

不動産の管理

建物に関する情報を整理・連携する際に、不動産IDを利用することで、物件情報をよりスムーズに確認・管理できるようになる可能性があります。

 

防災情報との連携

所有している不動産と、防災・ハザードマップなどの情報を結び付けることで、物件に関する情報をより確認しやすくなることが期待されています。

 

都市計画などの情報との連携

都市計画や周辺地域に関する情報など、不動産に関係するさまざまな情報と結び付けることで、所有している不動産に関係する情報をまとめて把握しやすくなる可能性があります。

実際に国土交通省では、不動産IDと3D都市モデルなどを組み合わせた情報連携の取り組みも行われています。

このように、不動産IDが活用されることで、将来的には不動産に関するさまざまな情報を、よりスムーズに確認・活用できる環境につながることが期待されています。
ただし、ここで注意したいのは、不動産IDそのものに物件情報や所有者情報がすべて入っているわけではないということです。

あくまで、不動産を特定するための共通の目印として、さまざまな情報を結び付けるために活用されるものとされています。

また、個人情報の取り扱いなどについても、国土交通省のガイドラインで留意点が整理されています。

 

 

引用:国土交通省「不動産の共通コードとしての「不動産ID」のルールを整備!~不動産IDルール検討会の中間とりまとめを踏まえ、「不動産IDルールガイドライン」を策定~」(https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo05_hh_000001_00067.html)を基に作成

4.不動産IDの今後の取り組み

 

不動産IDは、すでに全国で一般的に運用されている仕組みではありません。

現在は、国土交通省が実際の運用に向けたルールや仕組みを検討している段階です。

2026年5月には「不動産IDのあり方に関する勉強会」が設置され、その後7月にも開催されるなど、不動産IDの生成・管理・利用ルールなどについて検討が進められています。

そして国土交通省は、2027年度中に一部の先行整備地域で試験運用を行うことを目指しています。

今後の検討では、どのような不動産を対象とするのか、IDをどのように生成・管理するのか、どのような情報と連携させるのかなど、実際に利用するための仕組みづくりが重要になります。

まだ発展途上の取り組みではありますが、現在も国土交通省による検討が進められています。

今後、試験運用を通じてどのような活用方法が生まれていくのか、注目したい取り組みの一つです。

 

5.まとめ

 

不動産IDとは、不動産ひとつひとつを識別するための共通の番号です。

住所の表記方法が異なったり、一つの住所に複数の建物や住戸が存在したりすることで、不動産に関する情報をデジタル上で正確に結び付けることが難しい場合があります。

不動産IDは、こうした課題を解決し、さまざまな不動産情報をつなぎやすくするための仕組みとして整備が進められています。

現在はまだ全国で一般的に運用されている段階ではありませんが、国土交通省では2027年度中の一部地域での試験運用を目指して、具体的な仕組みやルールの検討を進めています。

これから不動産情報のデジタル化が進む中で、不動産IDが私たちの暮らしや不動産にどのように活用されていくのか、今後も注目していきたい取り組みの一つとなるでしょう。

≪参考文献・出典≫

・国土交通省「不動産ID」
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/tochi_fudousan_kensetsugyo_tk5_000001_00040.html

・国土交通省「不動産の共通コードとしての『不動産ID』のルールを整備!」
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo05_hh_000001_00067.html

・国土交通省「不動産IDルールガイドライン」
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/content/001769626.pdf

 

この記事が少しでも「役に立った!」「面白かった!」「興味深かった!」という方は、記事の上部・下部にある『いいねボタン』のクリックをお願いいたします。

今後の記事作成の励みになるとともに、オーナー様の興味のある記事はどんな記事なのか参考にさせていただきます。


オーナー様専用サイトに関するお問い合わせ

オーナーサポート部
フリーダイヤル:0120-336-269(平日 9:00~18:00)
メールアドレス:os@skyc.jp