2026/09/25_今から始める「デジタル終活」

今から始める「デジタル終活」

 

スマートフォンやパソコンなどが普及した現在、「デジタル遺品」という新しい形の遺品が生まれています。

例えば、インターネット上で利用しているサービスのアカウントや、
ネット銀行などの資産に関する情報、定額料金を支払って利用するサブスクなどがその一例です。

本人が亡くなった後、家族が契約内容を確認したり、
解約などの手続きをしたりする際に、IDやパスワードが分からず困るケースもあります。

そこで今回は、国民生活センターなどの公的機関の情報をもとに、
もしものときに家族が困らないための「デジタル終活」について、分かりやすくご紹介します。


【目次】

  1. デジタル終活とは?
  2. 「利用しているサービス」の整理
  3. ID・パスワードの管理
  4. 家族に何を残すか? "エンディングノート"の活用
  5. まとめ

1.デジタル終活とは?

 

「デジタル遺品」には明確な定義はありませんが、国民生活センターでは、
デジタル機器を通して確認できるデータや、インターネットで契約したサービスを指すものとして説明しています。
ネット上に保有していた資産のデータや、サブスクを契約していた場合のアカウントなども含まれます。

こうしたデジタル遺品は、本人以外の人が内容を把握することが難しい場合があります。

実際に国民生活センターには、次のような相談事例が寄せられています。

相談事例困ったこと
ネット銀行スマートフォンが開けず、契約先が分からない
コード決済相続手続きに時間がかかった
サブスクID・パスワードが分からず解約できない

 

特にスマートフォンやパソコンには、ネット上の資産を管理するアプリや契約内容を確認するメールなどが集まっているため、
ロックが解除できないと、デジタル遺品の確認が難しくなることがあります。

2.「利用しているサービス」の整理

 

デジタル終活の第一歩として、まずは自分がどのようなサービスを利用しているのかを整理してみましょう。
特に確認しておきたいのが、ネット上の資産やサブスクなどです。

例えば、次のようなサービスがあります。

確認するもの例
ネット上の資産ネット銀行、コード決済サービスなど
サブスク定額料金を支払って利用するサービス
その他の契約インターネットで契約しているサービス

 

国民生活センターでは、ネット上の資産やサブスクの契約について、
サービス名・ID・パスワードを整理しておくことを勧めています。

オンラインで契約するサービスは、契約書面が紙ではなくメールなどで交付される場合もあり、
家族が契約先を簡単に見つけられないことがあります。
また、IDやパスワードが分からない場合でも、契約先の事業者を特定できれば、
家族から事業者に連絡することで解約などに応じてもらえるケースがあります。

3.ID・パスワードの管理

 

デジタル終活では、スマートフォンやパソコンのロック解除に必要なパスワードや、各種サービスのID・パスワードをどう管理するかも重要です。

国民生活センターでは、もしものときに家族がスマートフォンやパソコンのロックを解除できるよう、
パスワードを確認できるようにしておくことを案内しています。

一方で、パスワードは第三者に知られないよう、適切に管理する必要があります。
例えば、国民生活センターでは、パスワードを紙に記録して保管する際に、パスワード部分を見えないようにしておき、
必要なときに家族が確認できるようにする方法などを紹介しています。
また、普段利用しているインターネットサービスのパスワードについては、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が、
「できるだけ長く」「複雑で」「使い回さない」ものにすることを推奨しています。

さらに、多要素認証が利用できるサービスでは、設定することも推奨されています。
つまり、パスワードは「家族が必要なときに確認できるようにすること」と「普段は第三者に知られないよう安全に管理すること」の両方が大切です。

 

4.家族に何を残すか? "エンディングノート"の活用

 

デジタル情報を整理するときには、エンディングノートを活用する方法もあります。

国民生活センターでは、エンディングノートについて、自分に何かあったときに備えて、
家族が判断や手続きを進める際に必要な情報を残すためのノートと説明しています。
また、スマートフォンのパスワードや契約中のサービスの整理にも活用できるとしています。

エンディングノートを使って、例えば次のような情報を整理しておくことができます。

整理する情報例
スマートフォンロック解除に必要な情報
契約利用しているサービス
アカウントID・パスワードなど
その他家族に伝えておきたい情報

 

ただし、IDやパスワードなどの重要な情報を記録する場合は、第三者に知られないよう保管方法にも注意が必要です。
また、AppleやGoogleでは、本人が亡くなった場合などに備え、
アカウントにアクセスできる人を事前に設定できる仕組みも提供されています。

利用しているサービスにこうした機能がある場合は、事前に確認しておくことも一つの方法です。

5.まとめ

 

デジタル終活は、もしものときに家族が困らないよう、普段利用しているデジタル情報やサービスを整理しておくことにつながります。
まずは、自分がどのようなサービスを利用しているのかを確認してみましょう。

★デジタル終活で確認しておきたいこと

確認することポイント
利用しているサービスネット銀行やサブスクなどを確認
サービス名契約しているサービスを整理
ID・パスワード安全な方法で管理
スマートフォン等ロック解除について考えておく
エンディングノート必要な情報を整理する方法として活用

 

国民生活センターでは、デジタル遺品について、

①スマートフォンやパソコンのロック解除への備え
②ネット上の資産やサブスクのサービス名・ID・パスワードの整理
③エンディングノートの活用
④アカウントにアクセスできる人を指定できるサービスの活用

という4つの事前対策を紹介しています。

スマートフォンやインターネットを利用する中で、デジタル情報は少しずつ増えていきます。
もしものときに家族が困らないよう、まずは利用しているサービスを確認するところから、デジタル終活を考えてみてはいかがでしょうか。

 

≪参考文献・出典≫

・独立行政法人 国民生活センター
「今から考えておきたい『デジタル終活』-スマホの中の“見えない契約”で遺された家族が困らないために-」
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20241120_1.html

・独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
「インターネットサービスへの不正ログインによる被害が増加中」
https://www.ipa.go.jp/security/anshin/attention/2025/mgdayori20250828.html

 

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