浴室電気乾燥機の点検について
2021年7月、「消費生活用製品安全法施行令の一部を改正する政令」が閣議決定されました。これにより2021年8月1日以降、消費生活用製品安全法上の「特定保守製品」が9製品から2製品になりました。
オーナー様ご所有物件に多く設置されている「浴室電気乾燥機(浴室暖房・換気・乾燥機)」も、この改正により指定から外れました。特定保守製品から外れた製品は、点検等の保守に努める責務がなくなりました。
今回は、この特定保守製品について定めている「長期使用製品安全点検制度」についてご説明いたします。
【目次】
1.長期使用製品安全点検制度とは?
2.所有者の責務とは?
3.特定保守製品の変更(2021年8月1日~)
4.まとめ
1.長期使用製品安全点検制度とは?
消費生活用製品安全法の一部改正により、創設された「長期使用製品安全点検制度」。この制度では、経年劣化による製品事故を防止するために、経年劣化による重大事故の発生のおそれが高い製品を「特定保守製品」としています。特定保守製品は消費者自身による保守が難しいため、製品を購入した所有者に対して、メーカーや輸入業者から点検時期をお知らせし、点検を受けていただくことで、事故を防止するための制度です。
2.所有者の責務とは?
特定保守製品の所有者は、製品の製造・輸入事業者(特定製造事業者等)に対して、①所有者情報を提供(登録・変更)しなければなりません。また、製品の所有者は、製品事故が生じた場合に他人にも危害を及ぼすおそれがありますので、②清掃や点検等の保守に努めることが必要です。特に、賃貸住宅・アパートなどで特定保守製品を家主が設置・所有している場合は、家主(家屋賃貸人等)は賃借人の安全に配慮すべき立場にあることから、特にその保守が求められます。
①製造・輸入事業者への所有者情報の提供の責務
製品の所有者は、製品に同梱されている所有者票の「お客様記入欄」に必要事項を記入し、返信用葉書部分を投函、もしくは購入元の販売事業者等に渡して代行してもらうか、インターネットや携帯電話等によって、製造・輸入事業者に対し、所有者情報を提供しなければなりません。
引っ越しで製品の所在場所が変わった場合や、中古不動産の購入で製品の所有者が替わった場合など、所有者情報に変更が生じた時も、製造・輸入事業者に対し変更の登録を行う必要があります。
②点検を受けるなど特定保守製品の保守の責務
製品の所有者は、製品に表示されている点検期間中に点検を受ける必要があります。所有者情報の提供 ( 登録・変更 ) が行われている場合は、製造・輸入事業者 ( 特定製造事業者等 ) から点検通知があります。
点検の結果、不適合となった場合、整備 ( 修理を含む ) をして使用を継続するかどうかは所有者の判断となります。詳細は製造・輸入事業者 ( 特定製造事業者等 ) に相談して判断をします。
3.特定保守製品の変更(2021年8月1日~)
本制度が創設された当時は、社会的に許容できない程度の事故率である 1ppm を具体的な基準として、これを超える9製品が特定保守製品として指定されました。一方、製品設計上の経年劣化対策が措置された結果、各製品の経年劣化事故率は近年大きく低下してきました。このため、特に1 ppm を大きく下回っている7製品(FF 式石油温風暖房機、浴室用電気乾燥機、ビルトイン式電気食器洗機、屋内式ガス瞬間湯沸器、屋内式ガスふろがま)については、令和3年8月1日より特定保守製品の指定から外れることとなりました。
弊社のオーナー様がご所有のお部屋ですと、浴室電気乾燥機(浴室暖房・換気・乾燥機)が設置されている物件が多くございます。
2021年8月以降、法律上の取り扱いが変わり、所有者登録や点検が「責務」ではなくなりました。
4.まとめ
2021年の法改正は経年劣化事故率が低下したため行われました。この改正により、浴室電気乾燥機(浴室暖房・換気・乾燥機)をはじめ、以前特定保守製品だった製品の所有者登録や点検は責務ではなくなりました。ただし、特定保守製品から外れたからといって、100%安全というわけではございません。必要に応じて点検・整備・修理等をご検討いただければと思います。
〈参考文献〉
経済産業省
https://www.meti.go.jp/product_safety/producer/shouan/07_tyouki.html
経済産業省(法改正)
https://www.meti.go.jp/product_safety/producer/shouan/07kaisei.html
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