食品ロスについて
「食品ロス」とは、本来食べられるのに捨てられてしまう食品をいいます。本来食べられる食べ物を捨てることはもったいないだけでなく、環境にも悪い影響を与えてしまいます。実際、日本では1年間にどれくらいの食品ロスが発生しているかご存知でしょうか?なんと年間472万tの食品ロスがあります(2022年度推計値)。今回は食品ロスの現状と、食品ロスを減らすための取り組みについてご紹介いたします。
【目次】
1.食品ロスの現状
2.食品ロスにしないためにできること
3.食品ロスを減らすための取り組み
4.まとめ
1.食品ロスの現状
上記で説明したように、日本での本来食べられるのに捨てられる食品「食品ロス」の量は年間472万tになっています。日本人1人当たりの食品ロス量が1年で約38kg、1日で約103gということです。数字だけを聞いてもイメージしにくいかと思いますが、これは日本人全員が、毎日おにぎり約1個分を捨てているのと近い量に及びます(おにぎり1個:約110g)。
食品ロスは大きく分けると以下の2つに分けることができます。
事業活動を伴って発生する食品ロス・・「事業系食品ロス」
各家庭から発生する食品ロス・・・・・「家庭系食品ロス」
472万tのうち、事業系食品ロスは236万t、家庭系食品ロスは236万tです。
事業系の食品ロスは更に4業種に分類することができます。
食品製造業・・117万t
食品卸売業・・10万t
食品小売業・・49万t
外食産業・・・60万t
2.食品ロスにしないためにできること
食品ロスを減らすために、私たちができることから取り組むことが大切です。
消費期限と賞味期限とは
消費期限:期限を過ぎたら食べない方がよい期限
袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、、腐敗、変敗その他の品質(状態)の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限です。
〈消費期限が表示されている食品の例〉
お弁当、サンドイッチ、生めん、ケーキ、惣菜など
賞味期限:おいしく食べることができる期限
袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限です。賞味期限を超えた場合でもこれらの品質が保持されていることがあるため、すぐに食べられなくなるわけではありません。
〈賞味期限が表示されている食品の例〉
スナック菓子、カップめん、チーズ、缶詰、ペットボトル飲料など
消費期限・賞味期限をしっかりと理解し、自宅での食品ロスを減らしましょう。賞味期限の近い値引き商品を購入することや、冷蔵庫や家庭内の在庫管理をして、購入した食品を計画的に使い切ることが大切です。
自宅では、食品ロスを作らないためのローリングストックも有効です。ローリングストックについては、以前の「食品備蓄について」の記事でご紹介しています。防災にも繋がる内容ですので、ぜひ併せてご覧ください。
「食品備蓄について」の記事はこちらをクリック
スーパーや外食での心掛け
スーパーで買い物をされる際や外食時は、以下の点に注意しましょう。特に、外食産業は食品ロスの発生量が多く、宴会の食べ残しは食品提供量の14.2%に及びます。これは、7皿のうち1皿が廃棄されていることに相当する量です。
- 奥から商品をとらずに、陳列されている賞味期限の順番に買う。
- 包装資材(段ボール)ごと買う場合に、段ボールにちょっとのキズ・汚れがあっても、中身が問題なければそのまま買う。
- 食べきれる分量を注文して、食べ残しを出さないようにする。
- 食べきれない料理は仲間で分け合うようにする。
- それでも食べきれない場合は、お店の方に確認して持ち帰るようにする。
3.食品ロスを減らすための取り組み
ここからは、実際の事業者による食品ロスを減らすための取り組み例をご紹介いたします。
【K株式会社 鮮度保持】
☆容器包装の改善
ボトルを2重構造にすることにより、開栓後もしょうゆに酸素が触れず高い保存性を実現。押し加減により、少量から多量まで注ぎ出しの調整が可能。
↓
☆食品ロス削減
開封後の内容物酸化による劣化を抑制し、しょうゆの鮮度を90日間保持。ボトルを絞ることにより、しょうゆ を最後まで注ぎ出せるようになり、ボトル内の残渣が減少。
【S株式会社 賞味期限の延長】
☆容器包装の改善
お餅の個包装に酸素を吸収し、水分蒸散を抑えるハイバリアフィルムを採用。個包装内の酸素をフィルムが吸収しつつ、外部
からの酸素の進入を防止するとともに、お餅の水分を保持。
↓
☆賞味期限の延長
酸化を防ぎ、水分を保持することで、つきたて食感を長く保ち、賞味期限を15か月から24か月に延長。
☆3R等
従来の鮮度保持剤が不要となり、分別排出をし易くした。
【A株式会社 小分け・個包装】
☆容器包装の改善
キューブ状の鍋つゆの素を開発し、一人前(キューブ1個)ずつ個包装化。
☆食品製造段階の改善
キューブ状にするため、固形化や調理時の溶けやすさなどで独自の配合上・製造上の技術を開発。
↓
☆食品ロス削減
一人前が一個のキューブなので、一人鍋から大人数の鍋まで、作る量を調整することができ、食べ残しによる家庭で発生するロスを減少。
【D店 小盛り、小分け・持ち帰り容器】
☆メニュー展開
食べ放題のメニューの最小単位を小さくして、例えば北京ダックやエビの揚げ物など、1枚・1個から注文を可能とする。
☆持ち帰り容器
コース料理について、おいしく食べきって頂くことを前提にしつつ、持ち帰りを希望されるお客様へは持ち帰り容器を提供。
なお、傷みやすい料理は持ち帰り不可とする等、衛生面にも配慮。
↓
☆食品ロス削減
メニューの最小単位が小さくなったことでお客様の食べ残しを削減。食べ残しがあっても持ち帰り容器により食品ロスとならず食べきりに繋がる。
【クレジットカード会社 飲食店と顧客の結びつけ】
☆新サービス
「この店でキャンセルが出たら優先的に連絡してほしい」というクレジットカード会員からのお声と、「突然のキャンセルに本当に困っている。どうにかできないだろうか」という飲食店からの声を結びつけるべく、予約の取りづらい有名店を含む優良飲食店でノーショーやドタキャンが発生した際にクレジットカード会社が買い取り、キャンセル情報をオンラインアプリを通じてカード会員に即時公開し再販をするサービスを提供。
↓
☆食品ロス削減
突然のキャンセルによる食品ロスの削減。
【S株式会社 冷蔵庫のクラウドサービス】
☆冷蔵庫のクラウドサービス
冷蔵庫を無線LAN経由でクラウドサービスに接続し、献立の検索・提案などのさまざまな情報を音声や画面で案内。食品の購入頻度等の情報を学習し、使用期限等の情報をお知らせ。
↓
☆食品ロス削減
うっかり使用期限を忘れてしまうことを防止することで家庭の食品ロス削減に貢献。
4.まとめ
今回は、食品ロスについてご紹介しました。食品ロスを減らすために一個人でできることとしては、家庭系食品ロスを減らすことばかり考えてしまいがちですが、実際は事業系食品ロスも非常に多いです。ご自宅で意識することはもちろん、買い物や外食時に意識することや、食品ロスに取り組んでいる企業の商品・サービスを利用し、食料資源の有効利用や地球温暖化の抑制に繋がるサイクルを作ることが大切です。
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〈参考文献〉
農林水産省HP
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/161227_4.html
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/featured/abc2.html
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