2024/02/09_東京ルール(賃貸住宅紛争防止条例)について

東京ルール(賃貸住宅紛争防止条例)について

 

皆様、東京ルールをご存知でしょうか?宅地建物取引業者は賃貸住宅の借主へ、宅地建物取引業法に基づく重要事項説明をする義務があります。賃貸住宅にお住まいの方は、実際にこの説明を受けてからご入居されているでしょう。その中でも、東京都内の賃貸物件の借主には、賃貸住宅紛争防止条例に基づき、住宅の賃貸借に係る紛争を防止するための説明をする必要があります。今回は、賃貸住宅紛争防止条例、いわゆる東京ルールをご紹介します。


【目次】

1.賃貸住宅紛争防止条例ー東京ルールとは
2.トラブルの現状
3.貸主・借主の費用負担
4.まとめ


 

1.賃貸住宅紛争防止条例ー東京ルールとは

賃貸住宅紛争防止条例は、住宅の賃貸借に係る紛争を防止するため、原状回復等に関する民法などの法律上の原則や判例により定着した考え方を宅地建物取引業者が説明することを義務付けたものです。一般に、東京ルールと呼ばれています。

条例の適用対象

・東京都内にある居住用の賃貸住宅(店舗・事務所等の事業用は対象外)
*都内の物件を扱う場合、都外の宅地建物取引業者にも説明を義務付けている

・平成16年10月1日以降の新規賃貸借契約(更新契約は対象外)

・宅地建物取引業者が媒介または代理を行う物件

説明する内容

・退去時における住宅の損耗等の復旧について(原状回復の基本的な考え方)

・住宅の使用及び収益に必要な修繕について(入居中の修繕の基本的な考え方)

・実際の契約における賃借人の負担内容について(特約の有無や内容など)

・入居中の設備等の修繕及び維持管理等に関する連絡先

*なお、住宅を借りようとする者が宅地建物取引業者である場合は、書面の交付のみで説明は不要

条例及び条例施行規則の改正について

従来「書面の交付」(手渡し又は郵送)が必要とされていた条例に基づく説明書面について、借主が希望する場合等には、電子メールなど電磁的方法による提供が可能になりました(令和4年5月18日施行)。

2.トラブルの現状

東京には、約 680 万世帯が居住していますが、そのうちの4割にあたる約 270 万世帯が、民間賃貸住宅に居住しています。人口の流動性の高い大都市東京では、民間賃貸住宅は重要な位置を占めているといえます。

民間賃貸住宅については、多くのトラブルが発生しており、東京都にも様々な相談が寄せられていました。東京都はトラブルの発生防止を目的として、平成 16 年に「賃貸住宅紛争防止条例」を制定しましたが、その後も下のグラフにも示すとおり、「契約」や「退去時の敷金精算」、「管理」などについて、依然として多くの相談が寄せられています。

3.貸主・借主の費用負担

入居者の退去時には原状回復が必要となります。借主に義務として課されている「原状回復」とは、退去の際に、借主の故意・過失や通常の使用方法に反する使用など、借主の責任によって生じた住宅の損耗やキズ等を復旧することです。その復旧費用は、借主が負担するのが原則です。

経年変化及び通常の使用による損耗・キズ等の復旧については、貸主が行うのが原則です。その復旧費用は貸主の負担です。

貸主と借主の合意により、上記の原則と異なる特約を定めることができます。ただし、通常の原状回復義務を超えた負担を借主に課す特約は、すべて認められる訳ではなく、内容によっては無効とされることがあります。

4.まとめ

 

今回は、東京ルールについてご紹介いたしました。賃貸住宅のトラブルを少なくするには、貸主・借主・所有者(オーナー様)の各者が正しい認識を共有することが大切です。説明を受ける借主だけではなく、この機会に貸主や所有者であるオーナーの皆様もぜひ再確認をしていただきたいです。

 

以前、設備保証制度のそなエールを紹介した記事の中でも、国土交通省の「原状回復工事にかかるガイドライン」について説明しています。ぜひご一緒にご確認ください。

そなエールについて→https://skyc-socsp.jp/ownersclubsp_post120

 

また、この記事が少しでも「役に立った!」「面白かった!」「興味深かった!」という方は、記事の上部・下部にある『いいねボタン』のクリックをお願いいたします。今後の記事作成の励みになるとともに、オーナー様の興味のある記事はどんな記事なのか参考にさせていただきます。

 

 

〈参考文献〉

東京都住宅政策本部HP
https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/juutaku_seisaku/tintai/310-3-jyuutaku.htm


オーナー様専用サイトに関するお問い合わせ

オーナーサポート部
フリーダイヤル:0120-336-269(平日 9:00~18:00)
メールアドレス:os@skyc.jp